君のこと何も聞きはしないから
大森靖子ちゃんのVOIDはアイドルとオタクのラブソング
儚くて脆い。
今日はなんか悲しくて、帰りのバスの中で泣いた。トイレでも泣いた。
よく考えたら行きのバスでも泣いた。
やっぱ雨降ると良くないこと起きる
「うちを抜け出して僕の部屋においで君のこと何も聞きはしないから 僕じゃ満足できなかったら明日忘れていいから」
ファンは推しを選べる。容姿なのか歌声なのかフィーリングなのか、ともかく数百といるアイドルの中から推しを選べる
アイドルはファンを選べない。裏垢で悪口書いてたり、辛い言葉を浴びせてきたり、ストーカーもどきだったり、どんなに自分にとって嫌な奴でも現場にきたらありがとうって笑顔で接しないといけない。
しかもアイドルとオタクの主導権は全てオタク。
気に入らないことがあったら今まで行ってた現場を平気で干せちゃったりできる。
そんな不確かな関係なのに、アイドルは「僕の部屋においで」って言ってくれるんだ。
「僕じゃ満足できなかったなら明日忘れていいから」って。
なにそれ残酷。
アイドルって愛おしい。愛おしい大好き。
やめたい
いい歳こいて自分に爪立てる癖、ねえもうやめない?って気持ちと、やめたらじゃあこの気持ちどう処理すればいいの?って気持ちが入り混じる。
こんなことなら昨日早くねとけばよかった
一生治らないのかよ畜生
大丈夫
大丈夫、わたしの「しねばいいのに」 は全部わたしに向かってる
誰も傷つけてない大丈夫
私と二丁魁さんの出会い
TIFの動画見るの好き。
会場に行ったことないけど、YOUTUBEにあがったアイドルグループを無作為にダラーっと見ちゃう。
そこに集うのは「アイドル好きオタク」だから新規を獲得しようとどのグループも一押しソングで勝負する。
みんな同じ会場でパフォーマンスするからのグループの熱量とか、ファンの雰囲気とか比較できるし、去年も出てるグループだと1年前と比較するのも面白い。
なんつーか、アイドルたちの1年間の発表会的な?そんな感じ。私にとってTIFは。
今年はね、でんぱ組の妹分とかいうMeMeTOKYOさん。
「ああ、アイドルは職業じゃなくてファッションなんだ」って思ったの。
なんていうか気取らないかんじ?ああこれからはこういうのが流行るのかなーって、食いつぶされたでんでんぱっしょん聞きながら思ったの。
もう私が好きなアイドルっていなくなっちゃうのかな、胸がギュッと苦しくなっちゃうようなそんなアイドル。
そしたらさ、「これがアイドルだー!」の一声にハッとした。
『二丁目の魁カミングアウト』さんのステージ。
とにかく一生懸命で、そしてファンみんなが楽しんでいて、なんだかめちゃくちゃ気になった。よくよく調べたら色々あって1日目は出演キャンセルらしく、それもあったのかな?とにかく気持ちがビシビシ伝わってくるというか、久しぶりに衝撃を受けたというか。
そう、これが私の好きなアイドル像。ちゃんといた。きっとそう。
ライブに行こう。調べると無料ライブやってるらしい、4日後か、行けるよし行こう。2秒で決断する。こんな時の私の無駄な行動力に呆れつつ拍手を送ってしまう。
朝やってるライブに行くことにした。なぜならファンあんまり集まらなそうだから。だって朝7時半よ、私歌とかコールとか全然覚えてないし、フリコピとかもってのほかだし、そんな私でもうまく溶け込みたいからと思い、あえて早朝の新宿2丁目に足を踏み入れることにした。
始発で行っても着くのは6時半。AISOTOPEとやらを探す。
案の定道に迷う。歩いてる途中でこれが2丁目か、って光景も何度か目にして、「ああごめんなさい、私はいま道に迷っているんです本当にごめんなさい」って思う。知らない世界に足を踏み入れたようで新鮮で面白い。
めちゃくちゃ遠回りしてようやく着く。もう30人くらい並んでいた。女の子ばっかり。若い子ばっかり。こんな私で大丈夫かって不安になる。
さらに追い打ちをかけたのは雨。私、「雨が降ると嫌なことが起きる」ってジンクスがあって。今日来たの間違いだったのかなってさらに不安になる。
ほぼ定刻通りに会場が開き、ほぼ定刻通りに開演した。
ライブの感想はね、すごくすごく楽しかった。「私背が高いのでこっち(自分の前)で見ます?」って言ってるひとがいて、なにその思いやりって思った。そんな現場はじめて。ファン同士は敵じゃない仲間だった。そう本当に「おなカマ」だった。あとはねフリを覚えねば、って思った。カエルの歌で棒立ちほんとごめんなさい知らなくて。次は覚えます。ほかにもいろいろあるのだけれど今日書きたいのはそこじゃないので割愛。またこんど。
特典会。私は今までこれがめちゃくちゃ苦手でほぼほぼ参加したことがなかった。
毎回「かわいくもないこんな私があなた様のライブに来てしまい申し訳ございません。自慢できるようなおたくじゃなくて申し訳ございません。ほらこんなに私不細工です、すみません」って気分になるんです。落ち込むんです。
でもなんでかわからないけど、二丁魁さんたちには会って私が惹かれた理由を伝えたかった。こんな気持ち初めてだった。
不思議とあまりそわそわしない。周りのみんなの話に聞き耳立てながら私の番をまつ。後ろに並んでた古参ぽい人の方が私よりずっと緊張してる。ノート読んで予行練習してる可愛い。数十分待って私の番になった。
カーテンが開く。にっこり笑って迎えてくれた。ありがとう。不思議と自分に劣等感を持たず顔を見てお話しできる。
真っ先に言う。「TIFで好きになりました。」うまく聞こえてなかったみたいでペイちゃんに「なになに?」って聞かれる。
「TIFで好きになったの!」なんかちょっとかわいく言えた。やった。
ああ私もうすこし準備して色々話せるようにしとけばよかった。
喜んでくれるかと思って買ったゲイビデオ(ライブビデオです)を見せたんだけど、なんだかそれよりも私が来てくれたことを喜んでくれたように感じた。
ミキちゃんが「あなたきっと好きになるわよ」「きっとはまるわよ」って何度も言ってた。ねえミキちゃん、わたし、ミキちゃんの言葉、信じてついていってもいいかな?
名前なんて言うの?
「・・・、・・・です。」
最後の最後にぺいちゃんは私の名前を聞いてくれた。
名前聞いてくれてありがとう。こんなこと初めてでめちゃくちゃうれしかった。ねえぺいちゃん、私もいつかあなたたちの大切なファンの一人になれるかな?おなカマになれるかな?
数時間前まで画面越しでしか見られなかった人がこんなに近くにいるなんて…
みんなめっちゃ可愛かった…
そういえばフリーゲイマガジン誰からもらったんだ?ミキちゃん?えーミキちゃん?!貰ったときちゃんとありがとう言ったかな私…
余韻に浸りながらフラフラ帰ったらまた道に迷った。
ようやく着いた新宿駅の駅の近くのウェンディーズで朝ごはん食べようとしたのだけど胸がいっぱいで何も考えられず、とりあえずオレンジジュースだけ頼む。
朝の新宿駅の雑踏をオレンジのさわやかな味で飲み干す。
雨はいつの間にかやんでいた。
明朝体を空へ投げたら
「元気にしてる?」
こんな簡単なLINEも送れないなんて、って思う。
大森靖子ちゃんがすきで二人で何度かライブ行ったね。
今まで私、いつも一人でライブ行ってたから、友達と一緒に行けたのすごくうれしかったの。気合い入れて塗ったピンクのアイシャドウ、めちゃくちゃかわいかったよ。めっかわだったよ。
救われちゃうんだよね、なんでなのかな。靖子ちゃんの歌は。
心にそっと寄り添ってくれるんだよね、その寄り添う心がめちゃくちゃ真っ黒で汚れていても、他人に見せられないほど弱っていたとしても。
あなたのTwitterアカウント見つけたときびっくりしたな。そしてあなたが堕ちてしまった世界に理由を見つけたくって必死に靖子ちゃんの歌を聞いたっけ。
「春ですよとうそをついて体じゃない愛を売ったんだ」
靖子ちゃんは歌で人に寄り添えることができるのに、私はあなたの抱えた痛みに寄り添えなかった。
ごめんね。それから私あなたに会うの怖くなったの。
私はあなたがやっていたことが悲しかったけど、でもね否定はしない。
欲しかったのはお金じゃなくってきっと愛だったんだよね。
その愛、私あげたかった。いまさらごめん。
ねえ、再来週は靖子誕あるの。
連絡したら返事くれる?
思い出はいつもキレイだけどそれだけじゃおなかがすくわ
私が一番初めに大好きになったアーティスト
JUDY AND MARYのYUKIちゃん。
たくさんのひとに出会ったけど、YUKIちゃんほど衝撃的な出会い方をしたのはきっと後にも先にもいないんじゃないかな。
ミュージックステーションで、おっきなクマのぬいぐるみを抱えて、真っ赤なワンピース着て出てきたね。あの衝撃、もう絶対忘れない。私がおばあちゃんになっても忘れない。
YUKIちゃんにしかできないポップなかわいさ。
YUKIちゃんの進む道は誰も邪魔できない。
クラスではモー娘。とか嵐とかの話ばっかで、みんなの話には全然ついていけなかったけど、でも私はずっとYUKIちゃんだった。それでよかった。
歌も歌い方も、容姿も考え方も全部全部大好きだった。
エレキギターがキューンて言うみたいな耳に突き刺さる歌声。
「わたし」じゃなくって「あたし」って歌うところドキドキしたっけ。
挑発的なツリ目のメイク、大人になったら私もやりたかった。
ラジオで言ってた「カーディガン」のイントネーションがかわいくってまねした言った。(実は今でもまねして言ってる)
長い髪の毛と切りそろえた前髪はさ、今の時代でも一番かっこいいしかわいいと思っているよ。
中学校の部活のめっちゃ嫌いな先輩がジュディマリ好きって聞いて、あの人と同じCDもってて同じ歌を聴いてたこと、ほんとショックだったな。
中古ビデオのMV集買って、でもお母さんに買ったこと言えなくて、いないときにこっそり見てたっけ。
ああ、色々出てくる。本当に好きだった。
今はもう全然追えていなくって「ああ、新曲出たんだ」とかほんとその程度。
アイドル界隈だと「他界」って言葉があって、それはつまり推しをやめて別のアイドルを好きになるってことで、たぶんそれでいったら私はすでにYUKIちゃんは「他界」に入っているのかもしれない。
でもね私は全然そうは思っていなくって。
私を形作ってくれたのはYUKIちゃん。
私の「かわいい」の原点はYUKIちゃん。
もし誰かに変身できるのなら今だってYUKIちゃん。
今はさ、あまり聞かなくなっちゃったけど、でも今でも大好きだよ。
私を形作ってくれてありがとう。あの時あなたの歌を聞いて、あなたを見ていたから今の私がいます。これからも頑張ってね。一度推した推しは、追えなくなっても最後まで大好きなままよ。
「思い出はいつもキレイだけどそれだけじゃおなかがすくわ」
小さい白いにわとりがみんなに向かって言いました
初めてアイドルに手紙を書いた。
勝手に書いて勝手に渡して勝手に満足して、また書きたくなった。
あなたに出会って思った気持ちをを内から外に出したくなった。
でももしかしたら、手紙なんて場所とるし捨てづらいし、迷惑かもしれない。
でもいろいろ伝えたくて、行き場のない気持ちを書く場所を作ることにした。
いろんなエゴが詰まったこの第一ページをずっと大切にできますように。